お父さん お金持って帰ってくるだけやないの 井村雅代
小学生のとき、家のこと母は任せで仕事に没頭する父への不満を,こういって母に向けた。いきなり張り倒されたのだが、そのときの母の「怒りに満ちた形相」は今も忘れることはできないという。家族を支えるということと
金を稼ぐこととは根本的に違うことを、母は娘に叩き込もうとした。シンクロナイズド・スイミングの指導者に取
材した川名紀美の「井村雅代 不屈の魂」から。
2016年8月2日の朝日新聞 折々の言葉から
実際に「お父さんもお母さんも自分の好きな仕事をしていつも遅くにしか帰ってこうへん」と激昂して言った塾生がいました。瞬間、「かっと」来る激情と「理解していないという虚しさ」の2つがこみ上げてきました。親としてたまらんやろう・・・と思いました。決して家では「仕事が辛い」とはおっしゃらないのでしょう。多いと思います。お子様が「仕事嫌い」にならない様に「仕事が辛い」とは言わないでおこうとされている方が。しかし、逆効果かもしれません。本当に「好きな仕事=趣味や遊び」のように受け取っていたのですから。だから「なんで自分らだけ勉強せにゃならんのや!!」に繋がっていました。自分の子供なら張り倒していたかもしれません。親としては軽々に語ることではないでしょうけれど、禁句でしょうが・・・・。「家族を支えるために、雨の日も風の日も、今日も出勤する」ってことは。その有難さが分からなかったその子は「元塾生」になってしまいました。