◆ 壁は必ず乗り越えられる ◆石渡 美奈(ホッピービバレッジ社長)
※『致知』2012年2月号連載「二十代をどう生きるか」
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私にとっての二十代、それは自分がどう生きればよいのかに悩み、そして壁にぶち当たってばかりの時代でした。
「躓(つまず)くのは歩いている証拠」
これは以前、尊敬する先生からいただいた言葉ですが、人生において躓くのは歩いている証拠、
つまり躓くということは成長している証拠だというのです。
だからどんどん躓きなさい、ただし転ぶ時は前向きに、
後ろ向きには転ぶな、とも教えていただきました。
(略)
最近社内に新卒で採用した若い人が増えたことから、その行動を観察しているのですが、
伸びる子というのは、概して音を上げない、
そしてよい意味で悩んでいるということです。
石の上にも3年とはよくいったもので、下積みの3年間、理不尽なことがあっても、
ぐっと歯を食いしばって頑張れるかどうかが大切です。
表現を変えれば、わき目もふらず無我夢中に仕事ができるかどうかにあり、成果うんぬんの前に、
与えられた仕事に夢中になって頑張れる人は、本当に強い子だと思います。
もう駄目だと音を上げてしまう子がいる一方で、涙を流して悔しがりながら、それでも頑張れる子もいます。
99回ノックして、本当はあと一回ノックすれば扉が開くのに、その一歩手前で諦めてしまうのは
本当にもったいないことです。
ことに若い時分は自分の理解を超えるような大小様々な壁が次々と目の前に現れると思いますが、
行く手を阻む扉が開くまで決して諦めることなくノックし続けてほしいと思います。
そしていくつもの壁を乗り越えた先にある「成長実感」を、一人でも多くの方に掴んでほしいと思います。