その子にはどうしても苦手な科目がありました。本当に「あちゃ~」という科目です。可哀想に初めでおおつまづきにつまづいたんですね。私どもとの出会いはかなり学習が進んだ状態でした。ですから、変わらないまま進んでおり、変な「癖」・・・思い間違い・・がありました。皆様もご経験があると思いますが、「人間は間違って覚えると中々記憶の修正は難しい」のです。機械なら「消去」という方法もありますが「人間はできません」。完全に「上書き」して「前の記憶を無くす」ことが必要です。
これは、容易ではないのです。「人間、なくて七癖」と申します。頭の中の癖は、手を突っ込むことも出来ず本当に厄介です。ご本人の強い意志と、反復・・そしてそれを支える私たち・・今回はそれが良い結果に結びつきました。
私が期末テストに向けてその教科の目標を定めました・・・・「なあ、〇〇点は超えような!先生も応援するから」
見事超えました。
塾がどうのこうのということではなく、人間は「期待される人間像になろうとする」のであり、容易ならざる反覆をその子は行ったと思います。
わたしは、生徒にそっと耳打ちして点数を聞きました。
点数を聞いて、嬉しくてたまらず、持っていた「紙の束」でぶつ真似をしました。もちろん、力なぞ入れていませんし、それは本人もわかっています。しかし、周りの子らは「点数が悪くて怒られているのか?」と思ったらしいのですが・・・・・。私の日頃の人徳の無さが出ますね。